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シェイクスピアの意中の人は?~『ソネット集』

4月23日はシェイクスピア・デーです。

ウィリアム・シェイクスピア
1564年4月26日(洗礼日) - 1616年4月23日(グレゴリオ暦5月3日)

4月23日が誕生日だと思ってたんですが、正確な記録があるのは、
洗礼日の4月26日だそうです。


春ですから、恋の歌、『ソネット集』を紹介いたします。

この恋の歌が、ある青年にささげられていることを
存じですか? 

4003220552ソネット集 (岩波文庫 赤 205-5)
シェイクスピア 高松 雄一
岩波書店 1986-11-17

by G-Tools

      ソネット 18番です。

きみを夏の一日にくらべたらどうだろう。
きみはもっと美しくて、もっとおだやかだ。
五月のいとおしむ花のつぼみを荒っぽい風が揺さぶり、
夏という契約期間はあっというまに終ってしまう。
天の太陽も、ときに、灼熱の光をはなつけれど、
黄金のかんばせが雲にかくれることだって珍しくはない。
美しいものはすべて、いつかは美を失って朽ちる。
偶然や自然の変移が、美しい飾りをはぎとってしまう。
しかし、きみが不滅の詩のなかで時と合体すれば、
きみの永遠の夏はうつろうことはない。
いま手にしているその美しさを失うこともない。
死神が、やつはわが影を歩んでいる、とうそぶくこともない。 
  人が息をし、眼を見うるかぎり、この詩は生きる。
  そして、この詩がきみにいのちをあたえる。

さて、この青年とは誰なのでしょう。


1番から126番までは、『ソネット集』の第一部ともいうべきもの。ある美貌の青年に対するシェイクスピアの愛を歌っている。内容から察するに、この青年はかなりの教養もあり、社会的な身分も高く、おそらくは貴族とも思われる。


ソネット集』に関係のある直接資料はほかには何も残っていない。(・・・)実際の執筆年代、若者の身分や姓名、「黒い女」の正体、
シェイクスピ
アと若者の「愛」の実態などについて多くの説がたてられている・・・


 

この青年が誰であるかについて、さまざまな憶
測をよんできました。


ソネット集』の最初に、

このソネット集の唯一の生みの親なるW.H.氏に・・・」という献辞があります。


「生みの親」W・H氏を、シェイクスピアに霊感をあたえた作中の美貌の青年と解釈して、ペンブルック伯ウイリアム・ハーバートの頭文字と見る説や、サウサンプトン伯ヘンリー・リズリーの頭文字の倒置とする説などがなかでは有力である。


  

ウィリアム・ヒューズという名の俳優
だったという説もあります。
オスカー・ワイルド
はこの説をもとに『W・H氏の肖像』という小説をかきました。

推測や仮説はたくさんあり、結局のところ、

この青年が誰だかわかりません。

実は、私はこの詩を読むと、この絵を思い出すのです。

薔薇のなかの青年画家ニコラス・ヒリアード
(1547年頃 - 1619年1月7日) 
のミニアチュール
『薔薇の中の青年』です(V&A博物館所蔵)。

モデルは第2代エセックス伯ロバ
ート・デヴァルーとされています。
エセックス伯はイングランド女王エリザベス1世の寵臣で、のちに反逆罪で処刑された人です。

もちろん、この人は「ソネットの青年」ではありません。

ただ、このたたずまいが、この詩にぴったりだと思えるのです。
シェイクスピアが愛したのは、こんな青年ではないかと・・・


・・・私の妄想はさておき、


『ソネット集』は、甘い恋の歌だけではありません。
後半には「黒い女」とよばれる女性が登場し、三人は三角関係を結ぶことになります。

この恋の歌の裏には、シェイクスピアのなまなましい人生が隠されているのでしょう。


青年だけでなく、この「黒い女」の正体も、やはりわからないのです。
わからないと、すごく知りたくなりますね、

シェイクスピアも人騒がせだと思うのですが、


中世・ルネッサンス学者C・S・ルーイスの言葉をかりるなら、ソネット連作とは「 抒情の海に浮かぶ群島」のようなもので、話の筋を追おうとしても、とぎれとぎれにしか捉えることができない。『ソネット集』のなかでシェイクスピアが語りつづけるのは、若者の美しさであり、彼に対するひたすらな愛の誓いなのである。

この世のものならぬ若者の美しさを称えるという詩人の本来の目的からいえば、実名はむしろ邪魔になるのだ。ここにはさまざまな工夫のこらしようがあるだろうが、彼は実名をあげるのではなく、かといって、シドニーのように架空の名前を選ぶのでもなく、若者を無名のままにとどめる道をとった。



シェイクスピアは正しかったのでしょう。

現実からきりはなし、ソネットに閉じ込めたことで、

青年と青年に対する愛は、何世紀たっても、伝えられていますから。

  人が息をし、眼を見うるかぎり、この詩は生きる。 

  そして、この詩がきみにいのちをあたえる。




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TAG : シェイクスピア ソネット

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