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本の中の文房具~「鉛筆」は、書いても、もらっても、嬉しい!

「本の中の文房具シリーズ」。
今日は「鉛筆」です。
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鉛筆は、16世紀の終わりごろにはあったそうです。

インクの必要なペンに比べて、
鉛筆は戸外に持っていくのに、うってつけ。

ルソーは「青空の下」で書くのが好きとか。

午前は写譜にあて、昼すぎには白い小さな手帳と鉛筆をもって散歩に出かけるつもりだ。というのは、sub dio(青空の下)でないと、ゆっくり書いたり、ものを考えたりできないたちなので、このやり方を変えようという気はおこらなかった。つい近所のモンモランシーの森をこれからわが書斎にしようという算段だ。『告白 中/ルソー』岩波文庫



森茉莉は喫茶店で書きます。

髪を直し、唇と手とに薬用クリイムをすり込むと外套をきて、籠を下げる。籠の中には削った鉛筆と手帳とが入っている。明日一日の必要品を買うと、風月堂で休み、珈琲を飲み、日記をつけ、新聞を読む。『森茉莉 エッセー1 父の帽子』新潮社 



立原道造は、喫茶店の紙ナプキンに手紙を書きます。

軽い食事を済ませた立原は、ふと思いついたように卓上の紙ナプキンを一枚手にとった。その柔らかい紙を斜めふたつ折りにしたまま、デッサン用のB4の鉛筆で水戸部アサイに短い手紙を書き始めた。彼の心は明るかった。『忘れがたみ 立原道造/小川 和佑』文京書房 


ヘミングウエイも鉛筆派。鉛筆を削るときは、ナイフではなく、鉛筆削りがいいそうです。

緑色の背のノートブック、二本の鉛筆と鉛筆削り(ポケット・ナイフを使うと削りすぎる)、大理石を張ったテーブル、掃き出したり拭いたりする早朝のにおい、それに幸運さえあれば、それでたくさんだった。 『移動祝祭日/へミングウエイ』同時代ライブラリー



鉛筆は、プレゼントにもいいものです。

ローラ・インガルス・ワイルダーは、
自分の教えた生徒たちから「心をこめてけずった鉛筆」をプレゼントされます。

そのあと、びっくりするようなことがおこった。さっさとオーバーを着るとばかり思っていたのに、生徒たちがそろってローラの机のことろにやってきたのだった。(略)それからトミーとチャールズとクラレンスがそれぞれ、ローラのために心をこめてけずってくれた新しい鉛筆を1本ずつくれた。『この輝かしい日々/ローラ・インガルス・ワイルダー』講談社文庫


『飛ぶ教室』の主人公は、色鉛筆をもらって大喜び。

中には素晴らしいものが入っていました。おかあさんが自らしたててくれた新しいパジャマ、2足のくつした、チョコレートをかぶせたお菓子の包み、南洋のことを書いたおもしろい本、スケッチブック、なかでも一番うれしかったのは、極上の色えんぴつの一箱でした。『飛ぶ教室/ケストナー』講談社文庫



きわめつきのプレゼントはこれ、

ナボコフの巨大鉛筆!

橇はトロイマンの店(文房具やブロンズのおもちゃや、トランプなどが並んでいた)の前で止まった。しばらくすると、母が馬丁を後ろに従えてこの店から出てきた。馬丁は買物の包みをもっていた。(略)包みのなかは長さ4フィートもの、それ相応に太い、多角形のフェイバー社の巨大な鉛筆だった。それは店のウインドウの飾りに吊るしてあったものだった。母は、私が売りものでないものに限ってよくねだっていたことから、それも欲しいだろうと踏んだわけだった。『ナボコフ自伝―記憶よ、語れ/ウラジミール・ナボコフ』晶文社



鉛筆のプレゼントって、本当に嬉しいですね。

それが、極上の色鉛筆だったり
巨大鉛筆だったりすれば、もちろんですが、
何よりすばらしいのは、
「心をこめてけずった鉛筆」!



参考記事)
 
「本のなかの文房具シリーズ」

2012-11-09 本の中の文房具~カクロウのモレスキン、マラルメの革手帳

2012-09-12 iPadは電子石盤~アンとローラの時代から

2012-01-28  本の中の文房具~文房具好きのクローディーヌ/コレット



それ以外のシリーズ

2013-10-24 本の中のサモワール~チェーホフ、トルストイ、ツルゲーネフ

2013-10-14 本の中の幻灯会~一葉、賢治、プルースト

2013-07-03 本の中の「語り聞かせ上手なお母さんたち」~アーサー・ランサム、プルースト、ゲーテ


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