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おとぎ話の主人公って『ONE PIECE』のルフィと似てる?~『昔話その美学と人間像/ マックス・リュティ』

おとぎ話や昔話に関する本をたくさん読んでいるのですが、
こういった本を読めば読むほど

おとぎ話の主人公って、
『ONE PIECE』のルフィと似ていると思います。

おとぎ話の主人公の特徴は、

○深く考えないで行動する
○人の助けを必要とする
○人と関係を結ぶことがうまい


ね、似てませんか?

引用はすべてこの本から。
『昔話その美学と人間像/ マックス・リュティ』
(岩波書店)
マックス・リュティは昔話研究の第一人者です。
IMG_6258.jpg


○深く考えないで行動する

おとぎ話の主人公は、旅をする人、行動する人です。
深く考えずに行動するのですが、その行動は常に正しい。

メルヒェンの主人公は、旅人であり、行動者でもある。けっして詮索する者ではないし、研究者でもないし、哲学者でもない。
主人公は、深く考えずに行動するし、今何をするのが正しいかを知らずに行動することも、しばしばである。どうしていいかわからずに、腰をおろして泣く場合でさえ、その行動は正しい。なぜなら、まさにそこで泣くことによって援助者が呼び出されてくるからである。

ルフィは「冒険の匂いがする」と危険な場所に飛び込んで、
仲間たちを困らせます。

しかし最終的にルフィの行動は正しく、
回り道をしているようにみえても
目的地に向って進んでいるのです。


おとぎ話の主人公は、「自分が何者であるか」と悩んだりはしません。

主人公は自己を探求することはないし、世界を探求することはない。世界をくまなく歩き回って、行動するのみである。

ルフィは悪魔の実の能力者「ゴム人間」ですが、
そのことで悩む様子は見られません。

これは、その能力のせいで子供時代にいじめられてきた、
チョッパーやニコ・ロビンとは大きく違っている点です。



○人の助けを必要とする

おとぎ話の主人公は、自分の力だけで何かを達成することはありません。
必ず誰かー妖精や、言葉をしゃべる動物などーに助けられています。

メルヒェンの主人公は、たとえ竜退治の英雄であっても、繰り返し援助を必要とする者として示されている。
メルヒェンの主人公は、運命を自力で開拓していく存在ではないが、そもそも人間もそれと同じである。人間は外からの援助、特に彼岸の世界からの援助をあてにしている。
他人に救ってもらわなければならないこともあるし、他人に傷つけられることもある。人間は救済者にもなりうるし、救済されることもある。

ルフィは「自分ひとりでは何もできない」ことを知っており、
それを公言しています。
仲間たちに助けれられ、仲間たちを守るために戦い、
そうすることによって、ますます強くなっていきます。



○人と関係を結ぶことがうまい

おとぎ話の主人公は、誰かの援助を受けながら課題を達成していきます。
人や動物と、関係をうまく結んでいるわけです。

メルヒェンの主人公は、(・・・)援助者と関係を結ぶ能力があり、その贈り物、その忠告を受け入れる能力がある。メルヒェンの主人公は、まさに能力を与えられた者なのである。
メルヒェンの主人公は、いわばなんの苦労もせずに、天上の国や地下の国といった遠い国と、また自然とそして周囲の世界のいろいろな存在と、みのり豊かな接触を持つ。


ルフィは、会う人会う人、敵でさえも仲間に引き入れていきます。

「出会う者たちを次々に自分に協力させるという、この海で最も恐ろしい(強い)能力が備わっている」と、ルフィを評価したセリフがありました。

「人と関係を結ぶこと」、これこそがルフィの大いなる能力です。




○特別な能力をもたない主人公~実際の人間像の反映


おとぎ話の主人公は、もともと特別な能力をもっていません。
特別な能力を持たず、人の援助を受けながら、課題を達成していくという点で、
現実の人間像を反映しているといえるでしょう。

彼には何も特別な能力はない。そもそも特定の課題に対して準備ができているわけではない。(・・・)この意味でメルヒェンの主人公は、人間全般の反映像なのである。
人間には変化する能力がある。自分の実力を発揮していみせることもできるし、しおれることもある。

ルフィの能力は、体が自由自在にゴムのようにのびること。
これは「悪魔の実の能力」としては、格別に強くはありません。
より強力な能力を持った敵は、次から次へと登場します。

では、なぜルフィが、あんなに強くなっていけるのかというと、
「援助者と関係を結べる」から、です。

大事なのはこの点です。

人間が一人でできることはしれている。
しかし援助を得られれば、大きなことが成し遂げられる。
援助を得られることこそが、大きな能力だということです。

こういったことを考えていると、

おとぎ話もマンガもアニメも
決して「子供だまし」とは思えません。

そこに、現実の人間像を見出すことができるからです。



参考記事)

2012-04-23 『ニュー・アトランティス/ベーコン 』~『ONE PIECE』のラフテルってここかも?

2011-08-13 『ワンピース』に学ぶ仕事術 /平居謙」~なぜアフロへアをかぶるのか?

2011-04-17  街場の『ONE PIECE』論(2)~内田樹

2011-03-20 街場の『ONE PIECE』論(1)~内田 樹



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