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最近はやりの「歴史本」~ルイ14世を比べてみた

「簡単にわかる歴史」、といったタイトルの文庫本を多くみかけるようになりました。
「ルイ14世とその時代」について知りたかったので、3冊比較してみました。


『世界史 下』ウイリアム・H・マクニール 中公文庫
『読むだけですっきりわかる世界史 近代編』後藤武志 宝島SUGOI文庫
『若い読者のための世界史 下 』エルンスト・H・ゴンブリッチ 中公文庫

IMG_4303.jpg


○『世界史 下』ウイリアム・H・マクニール 中公文庫


世界史 下 (中公文庫 マ 10-4)



マクニールの『世界史』は、世界で40年余にわたって
読みつづけられている名著だそうです。
内容的にも手堅い感じです。

ルイ14世の青年時代、王につかえる精力的な官僚たちが、フランス行政の系統的な中央集権化を貫徹しようとしたときですら、団体的な特権の力がこれに対抗して、フランスの官僚たちが達成した実際上の成功を厳しく制限した。
にもかかわらず王の政策は、貴族を飼いならすという、主要な目標は達成していた。しかしルイ14世王がその目的を遂げたのは、貴族の権利や特権を直接抑圧したためだけではなく、年金や宮廷内の役職を気前良く分配したからでもあった。

17世紀の末と18世紀のはじめに、フランス文化の名声は頂点に達した。ルイ14世の政治の力と壮麗さに対する感嘆には、フランスの文学、風俗、趣味に対するものと同じくらい大きな、いやあるいはさらに大きな感嘆の念が混じり合っていた。



○『読むだけですっきりわかる世界史 近代編』後藤武志 宝島SUGOI文庫

読むだけですっきりわかる世界史 近代編 コロンブスから南北戦争まで (宝島SUGOI文庫)



こちらはくだけた口語体です。

国が富めばいいことばかりのような気がするのだけれど、大切なのはその使い道。ルイ14世の場合はどうだったのだろう。まず、彼は豊かになった財政を背景に官僚機構と常備軍を整備し、中央集権化を推し進めた。これはマル。
ルイ14世はバツに値することもやってしまっている。それがかの名高いヴェルサイユ宮殿の建造。
こんなに労多くして、実りの少ない対外戦争を繰り返していては、さすがの重商主義に基づく好財政ももたない。フランスの財政はすっかり破綻、長男にも先立たれ、ブルボン朝のみならず、フランス史上、絶対王政の最盛期を実現したルイ14世は斜陽の影を感じながら死んでいった。



○『若い読者のための世界史 下 』エルンスト・H・ゴンブリッチ 中公文庫

若い読者のための世界史(下) - 原始から現代まで (中公文庫)


「物語」版の世界史です。
これも、語りかけ口調。

ルイ14世についての記述は、この本がダントツで多かったです。

王であることはひとつの劇のなかの大役であり、いまや彼はその役を生涯とおして演じ続けなければならなくなった。そして、彼以前にも、彼以後にも、この役を正確に研究し、飽くことなく最後まで権威をもって華麗に演じきった者はいなかった。
ところできみは、このような城、このような生活にどのくらいお金がかかるか想像できるかね、王ひとりに200人の召使いがいたというのだからね。しかしルイ14世には、賢い大臣たちがついていた。彼らの多くは低い身分の出身で、王がそのすぐれた才能ゆえに高い地位をあたえた者たちであった。彼らは国土から金を生み出す方法を知っていた。なかでも彼らが目をつけたのは外国との貿易であり、その際にも、自国の商工業を何よりも優先させた。
もっとも金のかかったのは、ルイ14世がただ自分の権力をより大きくするための、隣の国から少しでも何かをうばうために、絶え間なく起こした戦争であった。

3冊、それぞれ特徴があり、どれが一番いいとは言えませんが、

世界史としてバランスが取れているのが、
マクニールの『世界史』

口語体でとっつきやすいのが、
後藤武志の『読むだけですっきりわかる世界史』


物語調で、ポイントをしぼってあるのが、
ゴンブリッチの『若い読者のための世界史』


「ルイ14世とその時代」という点では
圧倒的にゴンブリッチの『若い読者のための世界史』が記述が多く

理解が助けられました。

「朝の引見の儀式」の細かい描写を読むと、
あまりにも大掛かりなので、
本当にルイ14世は「演じていたんだ」という気がします。



○地図を比べると

図版も好みがありますね。
地図を比べてみてください。

上:マクニールの『世界史』
下左:後藤武志の『読むだけですっきりわかる世界史』
下右:ゴンブリッチの『若い読者のための世界史 』
IMG_4310.jpg
個人的に、ゴンブリッチの『若い読者のための世界史』の地図が
見やすくて好きです。
やや絵本風ですね。



○挿絵


挿絵が入っているのは
ゴンブリッチの『若い読者のための世界史』だけです。
「物語」だからでしょうか。

この挿絵、素敵なんです!
フランツ・カッツアーという人のエッチングのような挿絵です。
IMG_4309.jpg  


この挿絵だけでも、ぜひ覗いてみてください!





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