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『クリスマス・キャロル/ディケンズ』~クリスマス・プディングの4種盛り

『クリスマス・キャロル/ディケンズ』の紹介です。

クリスマスの定番ですね。
クリスマス・シーズンには必ず読み返します。

たくさんの翻訳が出ています。
管理人は1冊をまるごと読んで、他の翻訳でお気に入りのシーンだけを読んでます。

今日は4種類の本から引用して、紹介します。

池 央耿訳 光文社古典新訳文庫
中川 敏訳 集英社文庫
夏目道子訳 フォア文庫
村岡花子訳 新潮文庫
IMG_2360.jpg


○念のため、あらすじ

スクルージは、金儲け一辺倒の冷徹な商人です。
クリスマスイヴに3人の精霊が訪れ、
それぞれがスクルージに過去、現在、未来の幻影を見せました。
幻影を見せられたスクルージは、自分の今までの行いを後悔し、
生き方を変えることを強く望みます。
クリスマスの朝目覚めた時、
スクルージは善良な人間に生まれ変わっていたのでした。



○フェジウイグじいさんのクリスマス・パーティー

一番目の精霊は、過去の幻影を見せます。

スクルージが若いころ奉公していた店の主人、フェジウイグさんはいい人でした。
クリスマスの日は、早めに店じまいです。

「やれやれ、子供たち!」とフェジウイグが言った。「もう今夜は仕事はおしまいだ。クリスマス・イブだ。ディック。クリスマスだよ、エブニゼル!戸を閉めてな」とフェジウイグ老人はぽんと手をたたいて、「大急ぎでな」(村岡訳)

このあと、楽しげな食事とダンスパーティがあるのです。
スクルージも仲の良い同僚と楽しみました。

「あの人は私たちを仕合せにすることも不幸にすることもできる力を持っている。わたしたちの勤めを軽くすることもできるし、重くすることもできる。楽しいものにすることも、つらいことにすることできる。(・・・)彼が施す幸福は、一財産使ったほどの、大きなものなんですよ。」(中川訳)

スクルージは、自分が雇人に対していかに冷淡だったかに気がつきます。


○クラチット家のクリスマス


二番目の精霊が見せたのは、現在の幻影。
スクルージの経理係クラチット家のクリスマスです。
貧しい一家ですが、とても仲の良い家族。
この日は家族全員で、滅多にないご馳走を楽しんでいます。

この世にふたつとないガチョウだ。ボブは、こんなにみごとなガチョウ料理は、どこにもないと思うよ、といった。やわらかくて、おいしくて、大きいうえに、安いなどと、みんなは口ぐちにほめちぎった。足りない分をアップルソースとマッシュポテトで補えば、うちじゅうに十分なごちそうだった。(夏目訳)

ところが、一番末の息子のティムは病弱で足が悪いのです。
精霊から「その子は長生きできない」と聞き、スクルージは心を痛めます。


○スクルージの葬儀

三番目の精霊は、未来の幻影を見せます。
それは誰からも顧みられない寂しい葬儀、スクルージの葬儀でした。

「安上がりの葬式になりそうですな。」と同じ男が続けた。「葬式に行こうなどという人を、わたしゃ、一人も知りませんからね。どうです。私らが志願して、参列してやるってのは。」(夏目訳)


スクルージの家に集まった人たちは、スクルージの物を盗むだけでした。
スクルージのために、祈る人はいないのです。

そして、あのティム坊やは死んでしまいました。


○クリスマスの朝


スクルージは今までの行いを深く悔み、人生をやり直すことができたら、と願います。
精霊が消え、クリスマスの朝になりました。
スクルージはまだ自分が生きていることを喜び、クリスマスを祝います。

「体は羽のように軽い。天使のように幸福で、はしゃぐ心は子供と同じだ。ああ、目が回る。どこの誰だか、メリー・クリスマス!世の中みんなへ、新年おめでとう!わあ!はーっ!」(池訳)

このあと、スクルージは善行を積みます。
病気のティム坊やにも「第二の父」となるほどの世話をして、
ティムの人生も変わりました。
スクルージは町のみんなから好かれる人物になったのです。


○4種類のプディング

悲しいシーンもありますが、それにもまして
楽しく、美しいクリスマスのシーンが満載です。

一番好きなのは、クラチット家でクリスマス・プディングが登場するシーン。
プディングは、仲睦まじい家族を象徴しています。

このデザートは、4種類の翻訳でご賞味ください。

ほら、たいへんは湯気だ!プディングが鍋から取り出されたのである。洗濯日のような匂いがする。飲食店と菓子屋が隣り合ってくっついていて、そのまた隣に洗濯屋があるような匂い。それがプディングだった!30秒ほどでクラチット夫人がー顔をあからめ、しかし誇らしげにほほえみを浮かべながらープディングをもって入ってきた。それは、干しぶどうの点々がついた砲丸のような形をして、固くしまっていて、四分の一パイントの半分のそのまた半分の火をつけたブランデーの中で燃え、てっぺんにはクリスマスのひいらぎの枝をさして飾ってある。
おお、すばらしいプディング!(中川訳)

おお!この湯気の何と盛んなこと!洗い場の銅の湯沸しから、今まさにプディングが運ばれてくるところだ。洗濯日の匂いがする。いや、それだったら、皿の上は衣類の山だろう。大衆食堂と菓子屋が隣り合い、そのまた隣に洗濯女が暮らしているようなこの匂い。そう、これこそがプディングだ。みな期待に胸をときめかすところへ、クラチットの妻が心持ち紅潮しながらも誇らかな笑顔で登場した。大砲の弾に斑の模様を描いたようなプディングは、しっかりと形良く、微妙な香りを添えるブランデーの火が燃えて、てっぺんにクリスマスを祝うヒイラギの枝が飾ってあった。
やあ、上等!(池訳)

すごい湯気だ!プディングが銅がまから出てきたのだ。洗濯日のようなにおい!あれはプディングをつつんでいる布巾のにおいだ。料理店と菓子店が並んでいて、そのとなりに洗濯屋があるようなにおい!これこそプディングのにおいだ!1分とたたないうちにクラチット夫人が顔を真っ赤にして、とくいそうに、にこにこしながらプディングをもって入ってきた。ぽつぽつ斑点のある大砲の弾のような、かたくしまったプディング。ほんのちょっぴりかけたブランディーが青く燃え、てっぺんにはクリスマスのしるしにヒイラギがさしてある。
ああ、すごいプディングだ!(夏目訳)

大丈夫!パッと立ちのぼる湯気!プディングは蒸釜から取り出された。洗濯屋のような匂いがする!それはふきんだ。料理屋とお菓子屋がならんでいる隣に洗濯屋がひかえているような匂い!それがプディングだ。1分とたたないうちにクラチット夫人はプディングをささげー上気した顔を誇らしげににこにこさせながら入ってきた。かたくしっかりしていて、点々のある弾丸のようなプディング、四分の一パイントの半分のそのまた半分のブランディはぽっぽと燃えている。そしててっぺんにはクリスマスのひいらぎがさしてあった。
おお、すばらしいプディングだ!(村岡訳)


クリスマスの朝の1時まで、もう少しです。

・・・・・・


精霊があらわれたりしませんように。


みなさん、楽しいクリスマスを!

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