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『ろうそくの炎がささやく言葉/管啓次郎・野崎歓編』

『ろうそくの炎がささやく言葉/管啓次郎・野崎歓編』の紹介です。

ろうそくの炎で朗読して楽しめる詩や短編を集めたアンソロジーです。
書き手は国内外の約30名で、収録作品はすべて新作・新訳です。

売り上げの一部が「東日本大震災」復興支援のために寄付されます。
*執筆者一覧は、エントリーの最後に

4326800526ろうそくの炎がささやく言葉
管 啓次郎 野崎 歓
勁草書房 2011-08-08

by G-Tools


8月8日に刊行されたばかり。
読めば心にろうそくの炎がともる、そんな本です。




冒頭は谷川俊太郎さんの詩です。

「ろうそくがともされた」谷川俊太郎

ろうそくがともされて
いまがむかしのよるにもどった
そよかぜはたちどまり
あおぞらはねむりこんでいる


祈りのような美しい詩や短編が続きます。

「赦されるために」古川日出男
出来事がある。すると、もたらされるものがある。
私たちは目を逸らせない。



「白い闇のほうへ」 岬多可子

かなしみの 白い布は
くるしみの 白い布は
一面にひろげられてあるだろう
これ以上 失えないほど 失って
そのあと なにもかもが 白く
白く そして 暗く



「よき夕べ」ジャン・ポーラン 笠間直穂子訳

大きな光の弧が何本か、ときに張りつめ、ときに風に揺れながら、舟のうえに昇る。
きつく目を閉じても、薄すぎる布を透かしたように紫色の帯がまだ見える。



「ピアノのそばで」林巧

梨奈は暗闇のなかで、息を凝らした。よく聴くと、優しく、なだらかに、頬と唇に
そっとふれてくるような響き。私の指先のように、私のことをよく知っている響き。



執筆者の方々のメッセージです。

「語りかける、優しいことばーペローの『昔話』」工藤庸子

3月11日につづく日々、わたしたちは語ることばを失っていた。
そこで泉の水のように優しい女性のことばを称える寓話をえらんでみたのです。
(・・・)値打ちがあるのは、声に出して、語りかけることばだというお話です。



「地震育ち」野崎歓

まだ読んだことのないページをめくり始めるならば、あるいはかつて愛読した一冊を
ふたたび開いてみるならば、胸の内には苦しいいまを何とかしのぎ、さらに歩き出そう

という前向きな気持ちが芽生えてくる。学は生への呼びかけなのだということを、
ぼくはたしかに感じ取ることができた。その思いを、少しでも多くの人々とわかちあえるなら。


「フルートの話」旦 敬介
状況はいつでも絶望的だが、それでもけっして絶望せずに、自分の機知と英知を
発揮して自分にあたえられた境遇をいちばんよく生きぬけていく。ラテンアメリカでも
アフリカでも、世界のいたるところで人はそうやって生きている。その人生のすごさ
にはいつも勇気づけられる。


「川が川に戻る最初の日」管啓次郎

れわれは、自然力との関係をむすびなおすにも、技術の暴走を止めるにも、
言葉によってわれわれの行動を調整する以外にない。詩は、詩こそが、
生きるための技術なのだった。




繊細な言葉で一杯です。

この本は、内容は言うまでもなく、外観も美しいものです。
独特なくすんだ色合い。にじんだような青い花は銀板写真です。

手にとって、金色の帯をそっとはずして、
表紙のその青い花が、ゆらめくろうそくの炎だと想像してみてください。



くらやみがひそひそささやく
ときどきくすっとわらったりする
こゆびがふわふわのなにかにさわる
おやゆびがひんやりかたいなにかにさわる
(「ろうそくがともされた」谷川俊太郎)


同書の刊行を記念して、朗読イベントが予定されています。

○「知恵の実」トークイベント
『ろうそくの炎がささやく言葉』刊行記念
ろうそくの炎で楽しむ朗読会

■日 時 2011年8月21日(日)18:00~20:00(開場17:30~)
■会 場 青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山
出演者:笠間直穂子+工藤庸子+林巧+古川日出男+岬多可子
ホスト:管啓次郎
詳しくは、こちらからどうぞ


○放送大学 平成23年度 第2回ふれあい公開講座
第二部『ろうそくの炎がささやく言葉』の朗読とディスカッション

日時:平成23年10月8日(土)14:00~16:00
会場:放送大学 東京世田谷学習センター
出演:管 啓次郎、旦 敬介、工藤 庸子
詳しくは、こちらからどうぞ(工藤庸子先生HP)


 執筆者一覧

明川哲也[作家、詩人、道化師]
新井高子[詩人]
石井洋二郎[東京大学教授、フランス文学]
鵜飼哲[一橋大学教授、フランス文学・思想]
エイミー・ベンダー[作家、在アメリカ]
エリザベス・マッケンジー[作家、在アメリカ]
笠間直穂子[上智大学ほか非常勤講師、フランス文学]
工藤庸子[フランス文学、東京大学名誉教授]
小沼純一[詩人、音楽・文芸批評、早稲田大学教授]
柴田元幸[翻訳家、小説家]
ジャン=フィリップ・トゥーサン[作家、映画監督、写真家、在ベルギー]
管啓次郎[詩人、明治大学教授、コンテンツ批評]
スチュアート・ダイベック[作家、在アメリカ]
関口涼子[詩人、翻訳家、在フランス]
田内志文[文筆家、翻訳者]
谷川俊太郎[詩人]
旦敬介[作家、翻訳家、明治大学教授、アフロ・ラテンアメリカ文化研究]
鄭暎惠[社会学者、大妻女子大学教授、旅人または非国民]
冨原眞弓[聖心女子大学教授、フランス思想・北欧文学]
中村和恵[もの書き、明治大学教授、比較文学]
西山雄二[首都大学東京准教授、フランス思想・文学]
根本美作子[明治大学教授、フランス文学]
野崎歓[翻訳家、エッセイスト、東京大学准教授、フランス文学]
ぱくきょんみ[詩人]
林巧[作家]
文月悠光[詩人]
古川日出男[作家]
細見和之[詩人、大阪府立大学教授、ドイツ思想]
堀江敏幸[作家、早稲田大学教授、フランス文学]
岬多可子[詩人]
ミシェル・ドゥギー[詩人、在フランス]
山崎佳代子[詩人、翻訳家、在ベオグラード] このエントリーをはてなブックマークに追加

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